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Festive 500 177/500

中一日を置いて、茨城県は土浦市へ。雑誌の取材であるが、実走取材とあってガーミンをONにすることを怠らない。いまはFestive期間なのだ。

前夜、土浦駅直結のサイクリストホテルBEB5 TSUCHIURAへ宿泊。星野リゾートが考える自転車と旅の形が表現されていて、素晴らしい空間だった。このあたりは、また原稿に書きたいと思う。

さて今回は、そんなBEB5 TSUCHIURAの目玉企画(?)であるサバイバルサバイシクルの実走取材であった。その顛末は1月20日発売予定のバイシクルクラブ誌の連載「BIKE & FISH JAPAN」をご覧いただくとして、土浦から鹿嶋港までの往復ライド120km、日の出から日没までたっぷりとライドを楽しんだ。

霞ヶ浦の日の出。真夏はあれほどいる釣り人の姿は一切なく、ただ静寂だけが水面にたゆたっている。

走り初めの気温は0℃。フラットペダルのバイクのため、普段履きのスニーカーで乗り始めたがとにかくつま先が痛い。レンコン畑は凍りついていたが、それでもこの時間から水の中で仕事を始める農家の方の姿を見て、何も言えなくなるのだった。

この日の愛車である。MIYATAのQuartz XL alphaに「サバ」のデザインアレンジを施したBEB5号。ここでは紹介しないが、セットのヘルメットも「サバ」デザインで、身も心も回遊するサバになりきって海を目指したのだった。この自転車の定価が7万円を切るのだから、競技をしないのであれば遠くに行く手段としての自転車は百万円もするようなものは必要ないな……。

寒さのせいかカメラが動かなくなった。仮に動いたとしても億劫になって撮りはしなかっただろうけれども。それでも、帰路広大な水郷地帯に夕日が沈んでからの束の間、世界の終わりへと吸い込まれるように平坦路を駆けていく感覚が不思議で、少しでもそれを残しておきたいと思いスマートフォンで写真を撮った。グローブを外すのすら億劫だったが、撮ってよかったと思う写真というのも、存在するのだ。絵がいい悪いではなくて、記憶の中に定着するものとして。
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